作 成 : 愛知県弁護士会所属弁護士 早河弘毅

【令和6年7月時点で増加】ソフトバンク株式会社から株式会社CONT・三和出版株式会社の件で発信者情報開示にかかる意見照会書が届く件について

目次

ソフトバンク株式会社から株式会社CONT・三和出版株式会社の件で発信者情報開示にかかる意見照会書が届く件が現在増えております

 令和6年7月現在、ソフトバンク株式会社から意見照会書が届く件が非常に増えております。
 ソフトバンク株式会社は、公開されている裁判例から確認できる限度でも、①ソシアス総合法律事務所の弁護士梶原圭先生(令和5年(ワ)第70348号 発信者情報開示請求事件他)②恵比寿金子法律事務所の弁護士金子和弘先生(令和3年(ワ)第33763号 発信者情報開示請求事件)が、発信者情報開示請求事件において、ソフトバンク株式会社(被告)の代理人として活動したことが確認されております。このほかに、③TMI総合法律事務所の五十嵐敦先生がご担当されることもあるようです。
 これらの法律事務所に意見照会書の送付や問い合わせ対応も委任していた場合には、これらの法律事務所から封筒が届くこともあり得ます。代理している法律事務所が違ったとしても、基本的に、同社が依頼をしていることには変わりがありません。

ソフトバンク株式会社が株式会社CONT・三和出版株式会社の書面を法律事務所から送ってくる理由

 まず、あなたが①ソシアス総合法律事務所②恵比寿金子法律事務所③TMI総合法律事務所から書面が届いたらどう思うのでしょうか。

法律事務所から送ってくる理由

 まず、あなたは、上記①~③の事務所と契約してはいません。なぜこの事務所から送ってくるのか、気になる方もいるでしょう。
 理由は、ソフトバンク株式会社(プロバイダ)が、これらの法律事務所と契約して、意見照会書を送ってもらうようにしているので、この契約に基づいて、①ソシアス総合法律事務所②恵比寿金子法律事務所③TMI総合法律事務所があなたのもとに意見照会書を送ってきているということになります。
 ①ソシアス総合法律事務所②恵比寿金子法律事務所③TMI総合法律事務所は、ソフトバンク株式会社(プロバイダ側)の事務所であり、AVメーカー等の権利会社の事務所では(現状)ないということを覚えておきましょう。

弁護士早河弘毅

聞いたことのない法律事務所のお名前だと思いますので、動揺している方も多いです。しかしながら、平たく言えば、プロバイダの代理人は決してあなたの敵ということではありません。

意見照会書を送らなければならない理由

 プロバイダは、発信者情報開示請求を受けた場合には、契約者に意見照会を行わなければなりません。この「照会」とは、問い合わせるという意味です。意見照会とは、発信者情報開示請求に応じてよいかどうか、契約者に問い合わせて確認するという意味です。これは、法律で定められていることですので、行わなければならないのです。

特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律

(開示関係役務提供者の義務等)
第六条開示関係役務提供者は、前条第一項又は第二項の規定による開示の請求を受けたときは、当該開示の請求に係る侵害情報の発信者と連絡することができない場合その他特別の事情がある場合を除き、当該開示の請求に応じるかどうかについて当該発信者の意見(当該開示の請求に応じるべきでない旨の意見である場合には、その理由を含む。)を聴かなければならない。

意見照会書送付の業務量が多いと思われること

 地方のプロバイダでは、社内で意見照会書対応業務を行っているプロバイダが多いです(この場合でも、訴訟や申立の対応自体は、弁護士が行っています。)。
 ソフトバンク株式会社は、法律上義務付けられている意見照会書送付業務の業務量がそもそも多いと考えられます。このことから、①ソシアス総合法律事務所②恵比寿金子法律事務所③TMI総合法律事務所にこの業務を委任していると考えられます。

ソシアス総合法律事務所について

 ソシアス総合法律事務所所属の弁護士梶原圭先生が、令和5年(ワ)第70348号発信者情報開示請求事件他で被告代理人として活動していることが、裁判所のサイトの公開の裁判例から確認できます。

ソシアス総合法律事務所の公式ホームページ

 所在地は、〒150-0013東京都渋谷区恵比寿4-20-7恵比寿ガーデンプレイスセンタープラザB1であることが、公式ホームページから確認可能です。

恵比寿金子法律事務所について

 恵比寿金子法律事務所の金子和弘先生が令和3年(ワ)第33763号 発信者情報開示請求事件他で被告代理人として活動していることが、裁判所のサイトの公開の裁判例から確認できます。

恵比寿金子法律事務所の公式ホームページ

 所在地は〒150-0012東京都渋谷区広尾1-12-16ハナサキビル(一光広尾第二ビル)4階であるとの記載があります。

TMI総合法律事務所について

 TMI総合法律事務所の公式ホームページは下記のとおりになります。

TMI総合法律事務所の公式ホームページ

 所在地は〒106-6123 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー23階である旨記載があります。

株式会社CONTについて

 この会社については別の記事で触れています。令和6年6月ごろから、この会社の請求はすでに多くなっていました。

三和出版株式会社について

 三和出版株式会社(さんわしゅっぱん)は、被請求側でお受けしている立場から申しますと、以前からも請求側で名前をお見かけしたメーカーではあります。

三和出版株式会社の公式サイト

ソフトバンク株式会社から株式会社CONT・三和出版株式会社の件で発信者情報開示にかかる意見照会書が届く件については、ぜひご相談ください

 発信者情報開示にかかる意見照会書には、「回答書」が付属していると思います。この回答書を2週間以内に返送するようにと書いてあると思います。まず、この点の対処を考えなければなりません。
 そして、より大きな問題は、「この件でお金を払わないといけないのか」「払うとして、いくら払わないといけないのか」という点と思います。これらの点については、弁護士に相談するとよいでしょう。当職へは、ラインでぜひお問い合わせください。お待ちしております。

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この記事を書いた人

愛知県弁護士会所属弁護士(登録番号は60208)。
大学入学後半年間の学習で1年生の秋に行政書士合格。
名古屋大学法科大学院卒。
弁護士登録後2年10か月で早期独立開業し、令和5年9月1日に「早河弘毅法律事務所」を創設。
創設後、持ち前の労働事件、刑事事件、インターネット事件の処理を中心に売り上げを堅調に伸ばし、令和6年4月に法人化、「弁護士法人早河弘毅法律事務所」の所長となる。
1991年12月23日生まれ。
依頼人に寄り添う弁護士、不安からお守りできる弁護士になりたいと思っているが、それは基礎となる法的素養が盤石であることが前提であって、単なる巧言令色を意味しない。早いレスポンスと丁寧な説明が売り。

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