愛知県弁護士会所属弁護士:早河弘毅

トレント「身に覚えがない」けど、開示される?——元エンジニア弁護士が解説!

目次

この記事を読むとわかること

・「身に覚えがない。」「トレントなんてしらない。」それなのになぜ、これが自分の手元に届いたのか?実際によくあるケース。

・実際は家族が使っていた。この場合プロバイダ加入者はどういった立場になるのか。どのように対応したらいいのか。

この記事を書いた人

事務員ロヨ                           

早河弘毅法律事務所スタッフ。アニメが好き。日々の電話対応・相談フォーム対応を通じてトレント事件に悩む方々と向き合っています。

事務員:ロヨ

事務員のロヨです!

事務員:ロヨ

令和6年7月からトレント事件に携わっております!

吉國聖二弁護士

早河弘毅法律事務所東京支店支店長。元エンジニアという異色の経歴を持つ弁護士です。

弁護士吉國聖二

吉國です。お世話になっております。

弁護士吉國聖二

早河弘毅法律事務所の東京支店で支店長をしております。

弁護士吉國聖二

トレント事件も、多数面談をご対応しております。

弁護士吉國聖二

東京支店は、直接お越しいただいてお話しできる点も魅力です。よろしければぜひご利用ください。

吉國先生の自己紹介はこちらから!


作成日・改訂日

作成日

事務員:ロヨ

この記事は令和8年3月12日に作成しました。

改訂日

事務員:ロヨ

まだ改訂されたことはありません。

意見照会書が届いたトウコさんのケース

(※登場人物は事務員ロヨが作成した架空のキャラクターです。よくある事例をもとに再現しております)

ある夕方。帰宅したトウコさんのポストに、契約しているプロバイダから青いレターパックが届いていました。
あけてみると「発信者情報開示にかかる意見照会書」との記載が。

トウコさん

なんだこれ……?

トウコさん

…………SODクリエイト株式会社????開示請求?????
…AVなんか見るわけない!
どうして私の名前で!……

レントさん

うわーなんだこれ。僕の趣味でもないなー。なんかの間違いでしょ。


「人違いではないか?」「夫が違うなら誰なんだ?」
「そもそも架空請求じゃないのか?」

という考えが、ずっと頭の中をぐるぐるしていました。

トウコさんは数日まともに眠ることができず、
1人で早河弘毅法律事務所の無料相談を受けることにしました。

事務員:ロヨ

事務員のロヨです。よろしくお願いいたします。

トウコさん

よろしくお願いいたします。

現場の所感

トウコさんのような状況の方からのお問合せを、私は毎週のように受けています。ご予約の際の際にかいていただく相談フォームに届く質問や、アンケートなどのを読んでいると、繰り返し目にする言葉があります。

「本当に身に覚えがないんです」
「トレントという言葉すらはじめてききました」


言い逃れのために味方をまず欺こうだとか、そんな人が世の中にいることはしっています。しかし、実際は、本当に心の底からそう思っている方がほとんどなのだと、私たちは理解しております。今日は、「身に覚えがない」ケースについて、整理しながらお伝えします。

「身に覚えがない」でよくあるケース

① 実は家族・同居人が利用していた

「身に覚えがない」ケースの実態としてもっとも多いパターンがこれです。

事務員:ロヨ

実際には
・夫、息子
・同居しているパートナー
・居候していた友人
こんなパターンが多いです。

実際にマウスを動かした人物が“誰”なのか、ログには残りません。
「トレント自体しらない」「私はパソコンをもっていません」というお声をよくいただきます。

①「絶対に私ではない」という確信はある。
②にもかかわらず、自分の名前宛に届く。

この状況からすれば、理不尽に感じたり困惑されたりするのは当然です。

事務員:ロヨ

プロバイダが把握しているのは回線の契約者だけです。
だから、契約者宛に送るしかないだけですね。

トウコさん

うちはネットの回線の契約者は私ですね。

事務員:ロヨ

ご家族の方に、トレントの利用をしたことがないか念のため確認してみていただけますか?

トウコさん

夫と二人暮らしなのですが、夫は違うっていってたんですけどね。

事務員:ロヨ

旦那さんはトレント自体も知らない感じですか?

トウコさん

んーそれはどうなんだろう。一応呼んできますね。2階にいるので

数分後

レントさん

・・・・・・・・・・・・・・

レントさん

トレントは使っていました。でも本当にこんな作品僕の趣味じゃないし知らないです。

事務員:ロヨ

そういうご事情でしたか。

② ダウンロードしたつもりは一切ないが・・・

トレント自体は使っていたけど、作品に覚えがない人のパターンはもしかしたらこれが多いかもしれません。

  • ファイルをダウンロードし始めた瞬間でも、同時にアップロードが始まる(すぐにダウンロードを中止しても意味なし)
  • しかも、たったワンクリックでうごいてしまう
レントさん

1分で気づいてすぐ消してもってこと・・・?

事務員:ロヨ

そうですね。
ちょっと間違えて普段絶対見ないようなAVを落としそうになったとかはあると思います。

レントさん

うーんなるほどそんなことなら無くは
ないかもしれないです。

VPNを使っていたら大丈夫・・・というわけでもなかった

事務員:ロヨ

「VPNを使っていたから大丈夫だと思っていた」というような声が寄せられることもあります。

VPNの設定ミスや、接続が一瞬切れた瞬間などにトレントのクライアントが動いていた可能性は十分考えられます。「キルスイッチ」というものを設定していない限りは、何かの拍子にVPN接続が切れてしまったときには、素のIPアドレスで接続されてしまう仕組みになっているそうです。

以下のサイトで詳しく解説していました。 

③ 「ラグありすぎやん」

弊所への相談でも「タイムスタンプが2024年で、通知が来たのが2026年」と、IPアドレスの捕捉から実際に請求があるまで、請求があってから意見照会があるまで、ここまでで年単位でのラグがあるようなケースは多数お見受けします。

事務員:ロヨ

2年前にクリックした動画なんて・・・
一番最近見たyoutubeの内容すら覚えてへんわ。
と言いたいです。

弁護士吉國聖二

一週間前のランチすら覚えてないです。

レントさん

2年前にダウンロードしかけてすぐ消したようなものなんて絶対覚えてない自信しかないです。

「身に覚えがない?そんなわけないやん・・・」
こう思われるのではないかと考える方もいらっしゃると思います。
いやいや、覚えていなくてあたりまえですから!


弊所のスタッフはこう思ってますから、安心して相談にいらしてくださいね。

弁護士がもっと解説

「家族が使った」として、開示されるのは誰の名前なのか?

今回の状況としてはこんな感じ↓

※この図は、理解の便宜のため一部簡略化しております

事務員:ロヨ

吉國先生!
プロバイダ加入者であるトウコさんは、トレントを利用していません。
この場合、法的にどういう立場になるのか。
また、誰の名前で開示されるのか。ご説明をお願いしてもよろしいでしょうか!

弁護士吉國聖二

まかせてください!

発信者情報は、「氏名、住所その他の侵害情報の発信者の特定に資する情報であって総務省令で定めるもの」をいうとされており、施行規則2条1号及び2号によれば、氏名(又は名称)及び住所については、発信者のみならず「その他侵害情報の送信又は侵害関連通信に係る者」の情報も発信者情報に含まれる。そのため、発信者がプロバイダ等の加入者の家族や同居人であって、当該加入者自身が発信者でないときも、加入者の氏名及び住所は発信者情報に該当しうる。


https://www.isplaw.jp/(情報流通プラットフォーム対処法 関連情報サイト)
内のhttps://www.isplaw.jp/vc-files/isplaw/20250513gaido10.pdf情報流通プラットフォーム対処法 発信者情報開示関係ガイドライン)

弁護士吉國聖二

発信者情報開示請求の法的な根拠となっているのは情報流通プラットフォーム対処法というものなのですが、この法律の中で発信者情報開示請求の対象となる発信者情報とは何か?や発信者とは何か?ということが定義されています。

弁護士吉國聖二

詳しくは、以下に引用した「情報流通プラットフォーム対処法 発信者情報開示関係ガイドライン(第10版)」に記載があるのですが、家族同居人がトレントの利用者である場合で、プロバイダ加入者(今回の例だと奥さん)はトレントの利用をしていなかった場合であっても、プロバイダ加入者たる奥さんの氏名及び住所は発信者情報に該当しうる、とされています。

事務員:ロヨ

なるほど。この場合だと、実際にトレントを使っていないトウコさんの情報が開示されてしまうことになるんですね。

弁護士吉國聖二

原則としてはそうなります。

弁護士吉國聖二

ただ、原則があるならもちろん例外があるということです。
回答書は、書式が2つに分かれている場合があります。

回答書の書式の違いについて

弁護士吉國聖二

まず
情報流通プラットフォーム対処法 関連情報サイトの情報流通プラットフォーム対処法 発信者情報開示関係ガイドラインが出している書式では、

・発信者からの回答書
・発信者(加入者のご家族・同居人)からの回答書

の2種類に分かれています。

事務員:ロヨ

2つに分かれている方がむしろ正しいという感じですね。

https://www.isplaw.jp/vc-files/isplaw/20250513gaido10.pdf より引用

弁護士吉國聖二

トレントの利用者がプロバイダ加入者ではなく、家族や同居人である場合には、書式2(画像右)の回答書を使用し、実際のトレント利用者の氏名及び住所を意見照会書の回答として提出することができます
この場合には、実際に開示される情報は意見照会書の回答に記載された家族・同居人の情報が開示されることになります。

トウコさん

つまり夫にこれをきちんと書いてもらえば、情報が開示されても損害賠償請求をされるのは私ではなく発信者である夫になるわけですね。

https://www.isplaw.jp/vc-files/isplaw/20250513gaido10.pdf より引用

弁護士吉國聖二

仰る通りです。ここに実際の発信者である旦那さんの住所、氏名、連絡先を書いて回答書を提出すれば、基本的には開示される情報は旦那さんのものになります。

レントさん

よかった・・・妻が訴えられずに済むんですね。
それがきけただけでも安心しました。

最後に

トウコさん

じゃあ夫、ちゃんと書いて出しといてね。

レントさん

はい、すぐ出します・・・・。
本日はありがとうございました。

弁護士吉國聖二

待ってください。
発信者情報開示請求のパターンによっては、開示自体を阻止できる場合があります。

弁護士吉國聖二

今回届いているものは、開示を阻止することができる「テレサ書式」というものです。

レントさん

えっほんとうですか!?

弁護士吉國聖二

今回のケースは、どなたの情報も開示されない可能性が高いですよ!

事務員:ロヨ

ラインで予約できるオンラインの無料相談にお越しいただければ、現在お手元に届いている意見照会書の内容から、開示を阻止できるパターンを判断することも可能です。お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

【自己紹介】
ロヨと申します。
出身地は神戸で、血液型はO型です。
アニメをみるのがすきですが、漫画の方がよく読みます(^^)/

【メッセージ】
トレント事件のご相談でお越しになるお客様の中には、
周囲の方に話すことができず一人で不安を抱えながら過ごされている方も多いことかと思います。

事務員である私から法的なアドバイスを行うことはできませんが、
その代わりに、お客様の現在のご不安な気持ちに最大限寄り添いたいと考えております。
少しでも「話しやすそうな人だ」と思って頂けると嬉しいです。
ぜひ、なんでも話してほしいです。
(実際に、面識のない方から話しかけられることは多いので、話しやすい雰囲気はあると思います。)

何卒よろしくお願いいたします。

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