作 成 : 愛知県弁護士会所属弁護士 早河弘毅

株式会社CONTをAVメーカー等の権利会社側とする発信者情報開示にかかる意見照会書が届いた場合(トレント)

株式会社CONTが権利者である場合について概説

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 株式会社CONTは、有限会社プレステージ、三和出版と並び、請求の件数が非常に多いメーカーの一つです。ITJ法律事務所が代理人をしております。
 株式会社CONTは、FANZAやAmazonで検索をしても、メーカーとして名前が出てくることはありません。株式会社CONTは、発信者情報開示命令申立事件では、自らが「映画製作者」(著作権法2条1項10号)であると主張したうえで、著作者である監督が「当該映画の著作物の製作に参加することを約束」(著作権法29条1項)しているので、自らに著作権が帰属すると主張をしてきます。

請求されている作品の例

株式会社CONTの場合は、裁判外手続きパターン(テレサ書式パターン)か申立済みパターンかを確認する。

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 株式会社CONTは、ITJ法律事務所が代理人をしていますので、プロバイダにもよりますが、裁判外手続きパターン(テレサ書式パターン)での請求があり得ます。まずこの点を確認しましょう。

スクロールできます

 申立済みパターンでは、AVメーカー等の権利会社側から裁判所に対し申立書が送られています。

 裁判外手続きパターン(テレサ書式パターン)ではAVメーカー等の権利会社側は、プロバイダに手紙を出しているだけです。

両者を区別する方法

 裁判外手続きパターン(テレサ書式パターン)であれば、発信者情報開示請求書が同梱されていますので、これを確認しましょう。
 区別する具体的な方法については、関連記事で紹介しています。

区別の実益

 裁判外手続きパターン(テレサ書式パターン)の場合、タイムスタンプと作品を注意深く確認してみてください。当該作品を違法アップロードした確証はおありでしょうか。確証がないのであれば、IPアドレス検出の誤りであることも考えられます。したがって、同意しない回答(不同意回答・開示拒否回答)を検討しえます。
 裁判外手続きパターン(テレサ書式パターン)の場合、当職が回答書を作成させていただいたケースでは、現状、全件不開示となっています。
 裁判外手続きパターン(テレサ書式パターン)であるか否か判断しかねる場合も、当職にご相談ください。

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株式会社CONTの場合、同意しない回答を検討する。

株式会社CONTの場合の担当について

 すでに述べた通り、ITJ法律事務所が受任しております。

IPアドレス検出の正確性

 ITJ法律事務所はHDR株式会社の開発したソフトを使用して、IPアドレスの検出を行っています。しかしながら、同ソフトで収集したピースが再生できないため開示が認められないケースが最近でもあります。そもそも、独自のソフトでありますので、当該違法アップロードをした確証があなたにないのであれば、正確性を争う余地があります。

株式会社CONTの場合、ログの保存期間まで待機することを検討しましょう

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 株式会社CONTは、作品数も多いことから、2作品目以降の発信者情報開示にかかる意見照会書が届くリスクがあります。このリスクに備えるためにも、ログの保存期間まで待機することが必須です。

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