作 成 : 弁護士法人早河弘毅法律事務所(愛知県弁護士会所属)

中部テレコミュニケーション株式会社(ctc)から意見照会書が届いた場合

中部テレコミュニケーション株式会社(ctc)から発信者情報開示にかかる意見照会書が届いた方へ

枚数は3~5枚のことが多いです

 中部テレコミュニケーション株式会社(ctc)は、名古屋で活動している弊所では最も多く相談を受けるプロバイダの一つです。
 ログの保存期間も1年(長いものだと2年残るそうです。)と長く、申立も行われていることが多めで、発信者からすると、ソフトバンクに次いで負担の大きいプロバイダです(ただし、ソフトバンクに比べると、申立のないケースも存在します。)。
 担当の方の電話番号が意見照会書に記載されています。電話をかけると、比較的発信者に寄り添った回答をしてくれる傾向はあります。発信者情報開示命令が出た場合でも、異議申し立てをして訴訟に移行しているようであり、開示の結果が出るまでにきわめて時間がかかる傾向にあります。 
 切手付きの返信用封筒が同封されているので、回答書を自力で送り返す場合はこれを使えば足ります。
 申立書が付属していないため、申立日を確認することはできません。他方で、申立の有無については、意見照会書を読むことで判明します(申立がある場合には、東京地裁に申立てがされた旨の記載があることが多いです。)。

まず、申立済みパターンか否かを確認します(中部テレコミュニケーション株式会社(ctc)から発信者情報開示にかかる意見照会書が届いた場合)

そのあとの流れにかかわってきます

裁判外手続きパターン(テレサ書式パターン)と申立済みパターンについて

 早い話が、申立済みパターンは、裁判所に話が行っているパターンで、裁判外手続きパターン(テレサ書式パターン)は、裁判所には話が行っていないパターンです。詳しくは、私にラインで聞いていただけると良いですが、誤解を恐れずに申し上げれば、前者は開示される傾向にあるが、後者は開示されない傾向にあるということです。

スクロールできます

 申立済みパターンでは、AVメーカー等の権利会社側から裁判所に対し申立書が送られています。

 裁判外手続きパターン(テレサ書式パターン)ではAVメーカー等の権利会社側は、プロバイダに手紙を出しているだけです。

参考記事

中部テレコミュニケーション株式会社(ctc)の件では申立済みパターンが多め(に見えます。)。

 弊所が実際に相談をお受けする件は、ほとんどが申立済みパターンです。したがって、同意しない回答(不同意回答・開示拒否回答)をしても、多くの場合開示される傾向にはあります。
 なお、令和6年夏ごろ、担当の方に問い合わせた時点では、裁判外手続きパターン(テレサ書式パターン)がそれなりにあるという回答ではありました。

中部テレコミュニケーション株式会社(ctc)からトレント関連で発信者情報開示にかかる意見照会書が届いた場合、早期示談は慎重に検討しましょう。

焦る気持ちは分かりますが

ログの保存期間が原則1年程度と長いことにまず注意

 ログの保存期間が1年程度あるということなので、例えば、あなたが令和5年1月1日にトレントを中止し、それ以降トレントを使っていなかったとしても、令和6年1月1日までは、あなたがトレントを使ったときのログがすべて消えることはないということです。すなわち、AVメーカー等の権利会社側は、この期間、あなたの違法アップロードを追跡できるということです。したがって、別途、発信者情報開示にかかる意見照会書が送られてくる可能性があるのです。
 1年という保存期間は、他のプロバイダと比しても長めです。何より、この1年間は、中部テレコミュニケーション株式会社(ctc)からは、原則的なものであり、長いものは2年程度残っていると説明されることがあります。

申立済みパターンの場合、申立から、意見照会書の送付にも時間がかかる

 中部テレコミュニケーション株式会社(ctc)の場合、申立済みから意見照会書の送付も、4か月程度時間がかかりますので、上記1年にプラスして4か月程度は、発信者情報開示にかかる意見照会書が追加で届くことが十分あります。

早期示談をする前に

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初心者でも読める度
4.8

中部テレコミュニケーション株式会社(ctc)の場合、同意しない回答(不同意回答・開示拒否回答)を検討しましょう。

担当の方にも聞いてみても良いと思います。

発信者情報開示にかかる意見照会書に書かれた作品に見覚えがない場合

 トレントを利用している場合でも、作品に見覚えがないということはよくあります。もちろん、トレントを利用していれば、多数の作品を違法アップロードしているのがむしろ普通です。したがって、覚えがないというだけで、実際にはやってしまっているのかもしれません。しかしながら、やった証拠がPCに残っているわけではありません。このような場合、同意しない回答をすることになります。

作品に見覚えがあるケースでも同意しない回答(不同意回答・開示拒否回答)を検討すべき理由

 トレントの利用者は、普通、ダウンロードした作品をすぐ消してしまったり、ダウンロードが完成しないまま消してしまったりするので、「ダウンロードした作品」と「ダウンロードしていない作品」を明確に峻別することは本来難しいはずです。やったという証拠は、むしろないのが普通です。見覚えはあっても、本当に違法アップロードしたのでしょうか。

参考記事

ログの保存期間が切れるまで長期的に付き合ってくれる弁護士を選びましょう

弁護士によって対応が全然異なります。

契約の内容は弁護士によって全く違う

 弁護士によって、対応がメーカー1社のみであったり、すぐに示談をして契約が終了したりすることがあります。しかしながら、ログの保存期間まで待機しなければ、適切な対応をすることはできません。このような対応をしてくれる弁護士への依頼を検討しましょう。可処分時間が十分にある場合は、各種サイトを調べて自力での対応することも検討に値します。経済的に厳しい場合は、自力で対応をせざるを得ないこともあるかと思います。

参考記事
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ログの保存期間まで待機すべきことについて

 一例をあげるだけでも、ITJ法律事務所がAVメーカー等の権利会社側の代理人である場合、44万円か88万の和解を提示されます。これに適切する必要があります。ログの保存期間まで待機することで、「これ以上の請求が飛んでくる可能性は低い」という状態を作り出す必要があります。