自力での交渉中に提示額が上昇するケースを確認しています。

示談金の提示額について
示談金交渉は、請求側は、クライアントの意向を受けて初手の金額を決めますので、本来であれば、事件ごとに、クライアントのキャラクター次第で変わるのが素直です(不定慰謝料であれば、初手200万円請求のこともあるでしょうし、400万円くらいのこともあると思いますが、それはもちろん事案の違いもありますが、依頼人にどうお願いされるかで異なるものでもあるのです。)。
現在、AVメーカー等の権利会社側は、代理人事務所が主導で提示額を決めております。
例えば、弊所や他の法律事務所が発信しているように、ITJ法律事務所であれば、初手は、包括和解77万円、個別であれば33万円です。
自力で対応をしていると金額が途中で上がるケース
もともと数年前にも行われていた。
公開されているケースで申しますと、大阪地裁の裁判例(令和4年(ワ)9660号)では、株式会社EXstudioの代理人として、ITJ法律事務所は、令和4年9月14日付の書面では、23万円での和解を提案していましたが、その後、同年10月19日付の書面では、24万円に引き上げを行っていました。
最近でも行われている。
もとより、当職は、この件について記事化する許可を相談者・依頼人からは守秘義務の解除の同意を得ており、なおかつ、交渉の過程については、相手方との関係で、これを口外してはならないという根拠はありません。
しかしながら、インターネット上でご紹介すれば、多くの方の参考になる一方で、権利者からすれば良い気分はしないものです。
そのため、詳細な事情が気になる方はお問い合わせください。
対策
前提として、交渉を蹴るつもりなら引き上げられてもダメージはない
あくまで、和解をするならこの金額ですというのが相手方の提示額です。それは、裁判所が認定した損害額ではありません。平たい言い方をすれば、交渉の場では、ふっかけることも譲歩をすることも原則当事者の自由です。
和解を蹴るつもりなら、引き上げられても問題はありません。相手がそう言っているだけなのですから。
基本的には、和解は相手方からすればコスパの良い回収手段であることがほとんど
このことからすると、引き上げ前の金額での示談であっても、相手方としては示談をしたいと考えるのが普通です。交渉をして以前の金額で和解をする余地はあると思われます(ただ、和解をするべきかどうかは慎重な検討を要します。)。
(事前に)弁護士に依頼をしておく
弁護士が介入した後の事案では、途中での引き上げは現状報告されていません。弁護士に依頼して交渉をすれば、このような引き上げがされる可能性は下がるように現状感じます(実際、当職からすると、仮にこれをされても、事件処理にはあまり影響はないと判断するところです。)。