トレント事件、早期示談をする前に知っておくべきこと―弁護士と話してみた!

トレントの利用について意見照会書が届いてしまった直後は、不安や焦りを感じたり、とにかく早く終わらせてしまいたい、という気持ちになってしまう方がほとんどだと思います。
この記事をご覧になっている方も、現在そのようなお気持ちかもしれません。
しかし、この記事にたどり着いたあなたはとてもラッキーです。
この記事を読んで、“早期示談をすべきなのかどうか”について、一度落ち着いて考えてみてください。
作成日・改訂日
作成日
弁護士吉國聖二この記事は私が令和8年3月6日東京オフィス内で、お話のドラフトを書き始めました。



その後令和8年3月16日に事務員サバゲー好きさん、やきにくさん、トカリンさん、ヒイロさんとGooglemeetをつなげて会話しながら、ブラッシュアップして完成させました。



私が作成したドラフトの段階でセリフの方向性は決めていましたが、実際にGooglemeetで話しながら作成し、それぞれのお人柄の発揮していただく形で、セリフもいろいろ大きく変わりました。
改訂日
改訂はしていません。
本稿の登場人物について
弁護士 吉國聖二



吉國です。お世話になっております。



早河弘毅法律事務所の東京支店で支店長をしております。



トレント事件も、多数面談をご対応しております。



東京支店は、直接お越しいただいてお話しできる点も魅力です。よろしければぜひご利用ください。
\ CHECK!! /


事務員 サバゲー好き



私は、事務員のサバゲー好きと申します!



早河弘毅法律事務所で正社員をしております。



代表の早河先生の弟さんとは中学・高校からの親友です!
事務員サバゲー好きの書いた記事を表示する。


架空キャラクターについて
本稿では、この架空キャラクターのセリフはすべて吉國弁護士が記載しました。
「早く終わりにしたい」という気持ちはよく分かります
焦りや不安を感じた状態のまま、急いで示談を進めると後悔するケースが少なくありません。
弊所にも、「他の弁護士に勧められて早期示談をしてしまったが、どうすればいいのか。」というセカンドオピニオンの相談も数多く寄せられています。



私はこれまで、事務員という立場から、多くの方からトレント事件についての相談を目にしてきました。



意見照会書が届いた直後の相談者様は皆さん「とにかく早くおわりにしたい…」とおっしゃいます。



中には、すでに他の法律事務所から「早期に示談すること」を提案されて、契約を急かされているケースも見受けられます。



まさしく、今の私の状況です。意見照会書が届いて気が動転してしまいました。



そんな中、インターネットで検索すると早期示談を勧める事務所のウェブサイトがたくさんでてきたので、上の方に出てきた事務所の無料相談を受けたんです。



そうすると、早期に示談して解決するのが良いとアドバイスをされました。



トレントを使って動画をダウンロードしてしまったことは事実ですし、トレントを使ってしまったことを本当に後悔しています。



私としては、やってしまったこと相応の報いを受けるべきだし、すぐに示談して示談金を払って終わりにしてしまいたいと思っています・・・



相談者様のおっしゃる気持ちもよく分かります。



しかし、正直に申し上げると、焦って早期示談を進めたせいで、後悔なさっている方をたくさん見てきました。早期に示談したとしても“根本的な解決”に至らないケースが多いのが、トレント事件の怖いところです。



今日はその早期示談の「落とし穴」について、弊所の弁護士の吉國先生と一緒にお伝えできればと思います。



まずは深呼吸して心を落ち着けて、こちらの記事を一読してみてください。



ありがとうございます。



(スゥー)



(ハァー)



少しだけ気持ちが落ち着いた気がします・・・



では、吉國先生、よろしくお願いします!



よろしくお願いします!



ちなみに私については下記の記事をご覧ください。


早期示談がなぜ問題なのか?
意見照会書が届いてしまってすぐのときには、冷静さを失い、「早くこの状況を終わらせたい。」と思うのも当然のことです。
しかし、その気持ちのまま示談を急いでしまうと、あとになって「あのときもう少し立ち止まって考えてみればよかった。」と後悔することも少なくありません。
早期示談には、大きく3つの落とし穴があります。
1つめは、「そもそも示談が不要だった」可能性があることです。意見照会書には2種類あり、テレサ書式によるものの場合には、適切な対応によって発信者情報開示を阻止できる可能性があります。
2つめは、「この1件さえ解決できればよい」と考えてしまうことの危険性です。プロバイダにアクセスログが残っている限り、他の作品についても意見照会書が届いてしまう可能性は充分に考えられ、「この1件の解決」が本当の意味での解決にはならないのです。
最後に、金銭的な負担の拡大です。今後、どれだけの開示請求が届くのか事案の全体像を把握しないままに示談を重ねると、示談金の支払額が爆発的に増えていくおそれがあります。
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落とし穴①:「示談自体が不要だった」ケース



意見照会書には、大きく2つのパターンがあります。
権利者側が既に裁判所に対して発信者情報開示命令の申立てを行い、手続きが進んでいるケース。
裁判所への申立てではなく、権利者側からプロバイダに対して「テレサ書式」と呼ばれる書式を使って発信者情報開示請求が行われているケース。



弊所に入所した事務員がまず叩き込まれるものですね。



私も入所してすぐは混乱しましたが、今では慣れてきました!



素晴らしいです!



まずは意見照会書を徹底的に分析することがトレント事件のはじめの一歩ですからね。
この、②のテレサ書式パターンの場合、プロバイダに対して適切な回答をすることで、発信者情報開示自体を阻止できる可能性があります。
ちなみに、意見照会書がテレサ書式パターンで届いているケースで弊所が回答書の対応したものについては全て非開示となっております。
(令和8年3月16日現在の実績ベース)
最新の状況については弊所の無料弁護士面談で弁護士にお尋ね下さい。
発信者情報開示自体を阻止できるということは、権利者側は問題にしているIPアドレス、ポート番号、タイムスタンプの通信をした相手方を特定できないということになり、場合によっては示談まで進むことができなくなります。
ところが、早期示談を勧める事務所の中には、この意見照会書の区別をせずに、漫然と示談交渉に進んでしまっているところもあるようです。
テレサ書式パターンなのに、示談を進めてしまった場合、払わなくてよいはずであった示談金を支払うことになってしまいます。



私がこれまでに見てきた相談者様の中にも、「最初に相談をした事務所に言われるがままに進めていたら結果的に損をしていた。」というケースがありました(1件ではございません。)。



まず、現在届いている意見照会書がどちらのパターンかを正確に把握することがすべての出発点です。
落とし穴②:「この意見照会書だけ解決できればいい」という考えの危険性
では、テレサ書式ではなく、①の申立済みパターンだったとします。
申立済みパターンだった場合には、情報開示をする・しないの判断を裁判官がすることになります。
そして現状では、トレント事件に関連する発信者情報開示命令の申立て事件では、開示されてしまう可能性が高くなっています。
発信者情報開示が認められて、発信者の情報が権利者側に開示されてしまうということは、権利者側との示談の流れに進むことを意味します。
そうだとすると、早期に示談してしまったほうが安心できるのでは?と考えるかもしれません。この点について少し落ち着いて考えてみましょう。



開示されてしまった場合には、早く示談に向けて動いたほうが安心できるのでは?



たしかに、早く示談をまとめてしまったほうが安心できるという気持ちもよくわかります。



でも、実はここに2つめの落とし穴があるんです。



トレント事件という事案の特殊性でもあるのですが、過去にトレントの使用歴がある場合、トレントを使っていたログがプロバイダには残っていることになります。



確かに、アクセスログが残ってしまっていそうです。



このアクセスログというものが厄介で、アクセスログは一定の期間残り続けます(期間はプロバイダによってまちまちです。)。



大手のプロバイダではアクセスログを2年程度保存しているとみられるところもありますので注意が必要です。



2年もアクセスログが保存されているところがあるんですか!



さらに権利者側が裁判所に対して発信者情報開示請求をしてから、お手元に意見照会書が届くまでにも半年~1年程度のタイムラグがあることが多いです。



そうなんですよ。



また、トレント事件では、1つの作品の権利者から意見照会書が届いていても、トレントを利用していた期間中にダウンロードした作品は複数あることがほとんどです。



正直、今回意見照会書に書いてあった作品以外にも心あたりがあります。



そうですよね。
そのような場合、アクセスログの保存期間+タイムラグが過ぎるまでの間は、別の作品の権利者から、新たに意見照会書が届いてしまう可能性があります。



横から失礼します!



アクセスログの保存期間とタイムラグについては、別のブログ記事もありますので、よろしければ下記リンクからご覧ください。





やきにくさんありがとうございます!



「今出てきている1件を早く解決した」としても、それは本当の意味での解決とはいえないのです。



アクセスログの保存期間が満了して、もうこれ以上意見照会書が届くことがない状況になって初めて、トレント事件の全体の状況が見えてくるのです。



なるほど…。詳しく説明していただきありがとうございます。今回の件で示談したとしても、また別の件がでてくるかもしれないということですね。



今回の意見照会書のことで気持ちがいっぱいになってしまい、また他の作品をダウンロードしたことについては目を背けたくなる気持ちから、今回の件を早く解決して楽になりたいと思いすぎていたかもしれません…
トレントを利用していた期間中にダウンロードした作品は複数あることがほとんどです。
アクセスログの保存期間が満了するまでは、別の作品の権利者から新たな意見照会書が届く可能性があります。
今届いている1件だけを“解決”しても、本当の意味での“解決”にはなりません。
落とし穴③:金銭的負担の拡大



この先、今回届いた件とは別の意見照会書が届いてしまうとしても、1件ずつ示談を進めていくしかないのではないでしょうか?



はい。1件1件進めていくしかないというのはそのとおりです。



しかし、示談を進めるにしても、その「示談の中身」に注意する必要があります。
権利者側が提案してくる示談には大きく分けて2種類あります。
1つは「個別和解」とよばれるもので、1つの著作物(作品)に限定して和解を締結するものです。
もう1つは「包括和解」といい、その権利者(メーカー)のすべての著作物について和解を締結するものです。



権利者側が提示してくる示談には大きく2種類あります。



1つは「個別和解」といって、今回問題になっている1作品だけを対象にした和解です。



2つめは「包括和解」といって、その権利者が持つすべての著作物を対象にした和解です。



どちらを選択するとよいのですか?



それはケースバイケースと言わざるを得ません。



状況が出揃っていない段階では、どちらを選択すると有利なのかは判断することができません。



たとえば、アクセスログの保存期間(+タイムラグ)が満了した後に、侵害していた作品が1つだけだったと分かれば、個別和解で十分だったということになります。しかし、個別和解には表明保証条項が付けられる可能性があり、そうすると示談後に別の侵害作品が見つかった場合に高額な違約金を請求される可能性があります。



それは怖いですね…。では最初から包括和解を選択したほうがよいのでしょうか?



そこも難しいところです。



包括和解は、将来届くかもしれない請求まで含めて一括で解決する和解なので、権利者側が提示する金額がどうしても高くなってしまう傾向にあります。



さらに言うと、包括和解は、1つの権利者との間では解決できますが、別の権利者には効力が及びません。別の権利者の作品を侵害していた場合には、そちらの権利者から別途、意見照会書が届く可能性があります。そうなると、また新たな権利者との示談が発生してしまいます。



それぞれの金額が高い上に、包括示談自体の件数も増えていく可能性があるということですか?



そうです。



たとえば、2社の権利者から意見照会書が届いてしまったとして、それぞれと包括和解を結んだとすると、示談金の合計はかなりの金額になります。実際に、複数の権利者と示談を重ねた結果、示談金だけで170万円を超えてしまったというケースも複数確認されています。



170万円…。これに弁護士費用も加わるんですよね。



そうなると200万円前後の負担になることもあります。「早く終わりにしたい」という気持ちで動いた結果、最も高い解決コストにつながってしまうということが起きやすいんです。



ではどうすればよいのでしょうか…



事案の全体像が見えていない状態で動いてしまうことが問題の本質です。



アクセスログの保存期間+タイムラグが満了するまで待機して、意見照会書が出尽くした段階で全体を把握する。その上で、権利者ごとに個別和解と包括和解のどちらが有利かを判断して交渉する。そうすることで、支払総額を最小限に抑えることができます。



複数の権利者が絡む場合はなおさら、全体像を把握してから動くことが重要になります。



なるほど。焦って1件ずつ片付けようとするほど、かえって高くついてしまうんですね。



まさにそういうことです。だからこそ、意見照会書が届いた段階ですぐに示談に動くのではなく、まず状況を整理することが、最終的には一番合理的な選択になります。
急いで示談をしないと訴訟等になるのではないか?
これも相談者様からよくいただく質問です。
まず、訴訟等の言葉の中身ですが、トレントの事案において気にすべきは2つあり、「民事訴訟」と「刑事告訴」があります。
結論から申し上げると、現時点で、権利者側は「民事訴訟」も「刑事告訴」も積極的に行っているわけではないように思われます。
詳しくは弊所の代表弁護士である早河先生が下記記事にまとめておりますので、そちらを御覧ください。
急がないと民事訴訟を起こされるのか?について


急がないと刑事告訴され逮捕される?について


では、意見照会書が届いたらまず何をすればいいのか?
整理すると、早期示談には次の2つのリスクがあります。
- テレサ書式パターンなのに漫然と開示してしまうリスク
- 全体の状況が見えないまま多額の示談金を支払うことになるリスク
意見照会書が届いた直後にすべきことは、示談に向けて動くことではなく、「今の状況がどのパターンなのか」を正確に把握することです。
「申立済みパターンか、テレサ書式パターンか」「ログの保存期間はいつまでか」「個別和解と包括和解のどちらが有利か」——こうした判断は専門的な知識が必要で、一人で判断するのは難しいと思います。
「とにかく早く終わりにしたい」という気持ちはよく分かります。
でも、急いで動く前に、一度立ち止まって状況を整理することが大切です。まずは弊所の無料弁護士面談をご活用ください。
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