愛知県弁護士会所属弁護士:早河弘毅

「示談金ビジネス」という言葉を聞いたことはありますか?トレント事件で発信者情報開示請求が届いたら。

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弁護士早河弘毅

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「示談金ビジネス」という言葉は一体何を意味しているのか

トレント事件でも使われる「示談金ビジネス」という言葉

弁護士早河弘毅

「トレント」と検索をすると「示談金ビジネス」という言葉は出てきます。どういう意味なのでしょうか

 示談金ビジネスという言葉がトレント事件でも使われるようになっています。この言葉については、発祥も来歴も明らかではありませんが、「示談金ビジネス」という言葉で検索をすると、名誉棄損事件関係の投稿記事が多く表示されます。

当職のPCで検索を行った結果1/3(令和6年10月13日検索。)
当職のPCで検索を行った結果2/3(令和6年10月13日検索。)
当職のPCで検索を行った結果3/3(令和6年10月13日検索。)

名誉棄損事件における「示談金ビジネス」とは

 上記の検索において最上位に来ていたサイトを見てみましょう。以下のような記載を確認することができました。

松本理平弁護士によると、SNSにおける、何気ない誹謗中傷ではない投稿(例えば政治に関する意見など)に対して、「あなたの投稿は名誉棄損だから、今、お金を払えば示談にするからお金を支払え!」という旨のメッセージが届く事例が増加。
これに対し、松本弁護士は「絶対にお金は払わないでください」と警鐘を鳴らしている。

【示談金は絶対払わずに、そのまま放置すべき】誹謗中傷してないのにお金を要求する事例が、近年増加!SNSでの示談金トラブルに巻き込まれた時の対処法に詳しい弁護士 松本理平弁護士 | プリサメディア (prisa-media.com)

 実際には、もう少しいろいろなことが書いてある記事ですので、引用元をご確認されることをお勧めします。

 ①高額な賠償が認められず、②訴訟を起こす気はないというケースを指して、「示談金ビジネス」という言葉が使われることがある。

「示談金ビジネス」と言われることがあるのは、発信者情報開示がされる事件の中でも一部の事件であることに注意

 そもそも、上記の記事は、冒頭で「誹謗中傷ではない投稿(例えば政治に関する意見など)」と前置きをしています。
 誹謗中傷に該当する投稿については、少なくともこの記事では、「示談金ビジネス」と呼称していません。
 全体として、「開示が認められるハードルが下がってきている」ことへの問題意識を表明している記事のようにみえます。

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トレント事件は「示談金ビジネス」であるのか

民事訴訟を提起されるのかどうかという問題について

 まず、この点については、請求者側の法律事務所のうちの1つであるITJ法律事務所がコメントを行っています(このコメントは令和5年8月23日のものです。)。

インターネット上で民事訴訟は提起されないという情報があるようですが、そのようなことはありません。和解が成立しない場合に、現在数件民事訴訟を提起しており、今後も訴訟提起を進めていく予定です。また、刑事告訴も警察に相談しており、今後随時行っていきます。

ビットトレントで発信者情報開示請求を受けた場合に、弁護士に依頼すべきか|ITJ法律事務所 (note.com)
このこのコメントから分かること

このコメントから分かることは以下のとおりです。

  • 民事訴訟の提起そのものは行っていること
  • その件数は、コメントの内容からすると、令和5年8月23日時点では、多いわけでは決してないこと。
  • 「今後も訴訟提起を進めていく」という記載は素直に読めば、訴訟提起の数を増やすという意味に読める
  • 刑事告訴については「随時進めていく」とコメントがあり、刑事告訴を行う姿勢そのものは確認できる(しかし、トーンとしてはあまり強いものではないようにも思われる。)。

 民事訴訟そのものは、件数が多くないながらも、行っているという状況です。
 なお、民事訴訟提起後は、民事訴訟提起前の和解ラインで合意をすることはないというコメントもあります。

訴訟提起後も訴訟前と金額は異なりますが和解は可能ですので、裁判を担当しているご自身の弁護士にご相談ください。

ビットトレントで発信者情報開示請求を受けた場合に、弁護士に依頼すべきか|ITJ法律事務所 (note.com)

 ただし、通常、AVメーカー等の権利会社側としては、和解で終了をする方法のほうがコスト的に優れているという理由から、発信者側に対し、和解を促したいというインセンティブはあります(そう考えるのが自然であると私は思います。)。
 ですので、この点を考慮したうえで読み進めるのが適切であろうと思われます。

不安に思われる場合はご相談ください。

 現状ではトレント事件において、民事訴訟は行われている以上、これを「誹謗中傷ではない投稿(例えば政治に関する意見など)」と同等の示談金ビジネスであると判断して無視することについては、リスクはあります。
 ご不明な点がございましたら遠慮なくお問い合わせください。何卒宜しくお願い致します。

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この記事を書いた人

愛知県弁護士会所属弁護士(登録番号は60208)。
大学入学後半年間の学習で1年生の秋に行政書士合格。
愛知大学法学部卒。名古屋大学法科大学院卒。
弁護士登録後2年10か月で早期独立開業し、令和5年9月1日に「早河弘毅法律事務所」を創設。
創設後、持ち前の労働事件、刑事事件、インターネット事件の処理を中心に売り上げを堅調に伸ばし、令和6年4月に法人化、「弁護士法人早河弘毅法律事務所」の所長となる。
1991年12月23日生まれ。
依頼人に寄り添う弁護士、不安からお守りできる弁護士になりたいと思っているが、それは基礎となる法的素養が盤石であることが前提であって、単なる巧言令色を意味しない。早いレスポンスと丁寧な説明が売り。

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