「言い値拒否交渉」へ。「ログ保存期間待機」からの脱却。
言い値拒否交渉への転換について
早河弘毅法律事務所は言い値拒否交渉に方針を進めてまいります。
弁護士早河弘毅お世話になっております。



弁護士の早河です。



早河弘毅法律事務所は「ログ保存期間待機」の方針を変更し、「言い値拒否交渉」への方針転換をしております。



このページでは、①言い値拒否交渉について詳しく説明をします。



②ログ保存期間待機についても、①言い値拒否交渉を理解するうえで必要な限度で言及します。
最後まで読むと分かること
- なぜ「言い値拒否交渉」をすべきであるのかが分かる
- なぜ、以前お勧めされていた「ログ保存期間待機」よりも現在「言い値交渉」とすべきであるのかがわかる。



このランク付けは、読み手の便宜のために、私の判断で行っているものです。ご参考にしてください。
「言い値拒否交渉」とは何か



「言い値拒否交渉」とは、権利者の言い値での示談をしないことを表明しつつ、協議には応じる姿勢を示す交渉態度をいいます。



詳しくは次の章で触れます。
「ログ保存期間待機」とは何か



弊所は、これまで、「ログ保存期間待機」方針をとっておりました。



これは、「複数の請求」に対して有効な手段であります。



請求が来たものから順番に示談をしてしまうと、思わぬ大損害を被る可能性があります。ログ保存期間待機をすることで、このリスクを減少させることができるのです。



ログ保存期間待機については次の記事が詳しいです。
\ こちらも読んでみてください /


なぜ、「ログ保存期間待機」から「言い値拒否交渉」への方針転換をするのか



その理由は、簡単に言えば



「言い値拒否交渉」の姿勢のほうが、より誠実であると判断をしたからです。
転換をすると何が変わるのか



現状、ほとんど変わりません



もっとも、権利者からすれば、ログ保存期間待機と言われてしまうよりは、言い値拒否交渉のほうが、すぐにでも、解決金の交渉を始めることができます。



権利者に、誠実な協議に応じるつもりがあるのであれば、すぐにでも、賠償金の金額の交渉が始まりますので、より誠実な交渉であると考えます。



もっとも、現状、権利者は金額交渉に応じず、大量の請求を一律の「示談基準」で行っていることがほとんどです。



ですので、結局交渉が成立することはないでしょう。



それで、ほとんど変わらないと申し上げました。
トレント事件の「言い値拒否交渉」について
「言い値拒否交渉」を簡単に説明すると・・・



次のような文章を送ります。



これは、弁護士が送らないと効果がないというものではありません。自力で同じ文章を送っても、交渉としては成立しえますので、よろしければご参考にしてください。
権利者 様
ご連絡を差し上げる無礼をお許しください。●●と申します。
このたびは、権利者様の著作物(●●)に対する著作権を侵害してしまったことをお詫びします。
軽率なことをしてしまって、誠に申し訳ございませんでした。権利者様にかけてしまったご迷惑を、なかったことにはできませんが、誠心誠意賠償をさせていただきたいと考えております。
加害者としての立場をわきまえつつ、大変恐れ多いことではありますが、以下申し上げます。わたくしなりに損害額を計算をさせていただきました。
私は日頃●●という方法でトレントを利用しており、だいたい、●●ほどトレントを利用しておりました。
今回の作品の単価は●●であり、利益率は、いわゆる大阪地裁判決をもとにすれば●●%でありますので、●●という事情と、●●という事情からすれば、損害額は●●程度であると考えます。
以上を踏まえつつ、私としては、●●円を支払う方法をご提案させていただきたいと考えています。
もっとも、これは、私の最終的な見解としてお知らせしているものではありません。権利者様のご見解もお伺いできますと幸いです。



ちなみに、以下の文章は私が実際に送っている文章とは異なる、ダイジェスト版ですので、あくまで参考程度にご利用ください。



こちらを利用して交渉をされた結果について、私が責任を負うことはありません。



この文案で、イメージは沸いたのではないのでしょうか



「拒否」と言いますが、それほど高圧的なものではないですよね。
ちなみに、「ログ保存期間待機」であれば、文章はごく簡単に申し上げれば、次のような点を伝えることになります。
- トレントを利用していたことを認め、権利者に謝罪する意向はあること
- しかし、今後も多数の請求が、他のメーカーからなされる可能性があることを考えると、現在、早々に示談に応じることは難しいこと。
「言い値」とは何か



まず、「言い値」って何なのでしょうか。



ここに疑問もあろうと思います。



「言い値」は当然ですが法律学の用語ではありません



権利者側(メーカー側)が提案してくる価格が「言い値」です。



この「言い値」はメーカー側の代理人によって異なります。
A法律事務所なら88万円、B法律事務所なら50万円、といったように、法律事務所によって異なります(時期によっても変動し、多様なオプションを用意したり、金額を上下させていますが、一律どの発信者に対しても同じ基準で交渉をしている(ように見えます。)。



メーカー側の対応は時期によって異なりますが



現状このように一律の「基準」を権利者側が設定し、そこから譲歩をしないので、「言い値」で和解をしてしまうケースが発生しています。
なぜ「言い値」で和解をすべきでない(と弊所は考えているのか。)
裁判例との比較



かなりかいつまんで言えば



過去の裁判例で認められている損害額は1~5万円程度です。



権利者側が求めている解決金の金額は、これより大きいものであります。
件数との関係



通常、トレントの利用者は多数のメーカーの多数の作品の著作権を侵害してしまっています。



権利者の言い値で示談を続けていると、総額がとても大きくなり、経済的な負担が非常に大きくなってしまいます。
適正な金額との関係



たとえトレントを利用していたとしても、アップロードしていたピースはどのくらいの量なのでしょうか



果たして、アップロードによって、現実にどの程度権利者が販売機会を喪失したと言えるのでしょうか。



裁判例はこの点について必ずしも十分に踏み込んでいないと考えます。



適切な賠償額が数百円程度になるケースも珍しくないと私は考えています。
変更の理由について
ここからは、引き続き全文早河が手入力ではありますが、質問キャラクターを配置して解説をしていきます。繰り返しではありますが、全文早河の手入力であります((´-∀-`;))。
建設的な会話にするために調整をして以下作成をしています。



早河さん早河さん!



はい、何でしょう



僕は、意見照会書が届いた者で、早河さんに依頼するかどうか迷っている者です。



まず聞きたいんですけど、示談拒否方針がそんなにいいものなら、何で最初からそうしなかったんでしょうか。



ログ保存期間待機ということをもともとやっていたんですよね。



はい、そうです。



ログ保存期間待機をやめるということは、ログ保存期間待機には欠点があるということなんでしょうか。



そういうことではないです。



まず、交渉の段階では、請求をされた側には、和解をする自由もあれば、和解をしない自由もあります。



ログ保存期間を待機してから決めたいというのは十分立派な理由です



そもそも、請求側が納得できるような理由を述べなければ和解を拒否させてもらえないということではありません。



もっとも、そもそも「言い値」の和解は高額に過ぎますので、たとえログ保存期間待機をした場合でも、これに応じられないことが多くありました。



そうすると、我々のスタンスとしてより正確であるのは、「ログ保存期間待機」ではなく、「言い値拒否交渉」であるということになります。



ですので、今後そのように主張するようにしたということです。



じゃあなんで最初からそう言わず、もともとログ保存期間待機を持ち出していたのでしょうか?



弊所においてトレントの損害論の研究が進んだ結果、権利者側の請求は裁判例と乖離していることはもちろん、裁判例においても、実際の損害よりも高い金額が損害として認定されているということを、弊所は強く実感するに至りました。



示談に応じるべきか否かということを、我々が依頼人から問われた場合、「言い値は高すぎる」というアドバイスをしますので、そうすると、依頼人としても、結局示談には消極的になります。



このような経緯があって、「言い値拒否交渉」のほうがより我々と依頼人の意向を正確に反映していると、考えるに至りました。



早河事務所においても勉強が進んだ結果、より正確な主張は、「ログ保存期間待機」ではなく「言い値拒否交渉」だということになったということでしょうか。



そういうことです。



勉強が進んだと言いますけど、具体的な時期を聞いてもいいですか。



民事訴訟(給付の訴え)が提起された令和8年4月ごろから、反論を精査するために複数の弁護士・教授と検討を重ね、このような結論をより強くしました。



その「検討を重ね」の結果、「言い値拒否交渉」のほうが実態に即していると判断されるようになったということでしょうか。



そういうことです。



しかし、依頼者からしたら、示談をする自由を奪われることにはなりませんか?



それは違います。示談を希望する方は私に依頼をしている方であっても、示談はできます。



でも早河先生は示談はお勧めしていないんですよね。



はい。言い値だったらお勧めできないです。



それは、示談をする自由を奪われていることにはならないですか。



それは論理が飛躍しています。



私はあくまで、委任契約のもと、専門家としての助言をし、事件の対応をします。



専門家として、言い値での示談は、既に上で書いた理由からお勧めできないということを相談者・依頼人に述べているのです。



そこは、私の専門家としての意見は、変わることがないです。



私はこの件については、単にたくさん事件をこなしているというだけではなく、時間的にも金銭的にもかなり投資をして勉強をして、現在の見解を形成しています。



だからひとまずは私の見解を重要だと思っていただくほうがよろしいのではないかとは思います。



しかし、例えば、どうしてもこの件が手につかなくなってしまうということであったり、日常生活への支障があまりに大きすぎるということであれば



そういった点含めての買い物として、示談をすることまでは、否定しませんというか、本当にお勧めはしないのですが、やむを得ないところもあるのではないのでしょうか。



総額300万円とかを超えてくる可能性はありますけどね。



そして、示談は弁護士をつけなくてもできますので、それなら、弁護士費用を浮かせて自力で示談したほうが賢いです。



長くなりましたけど、私が専門家として示談に同意しないからと言って、それを、示談する権利が奪われているというのは少し違います。



最終的には、ご自身で判断をすることになります。



ありがとうございます。



まだ質問していいですか。



もちろんです。



「言い値、言い値」と言いますが、あなたは減額交渉はしてくれないのでしょうか。



してます



えっ?



だから、してます



っていうか、さっきのこれもまさにそうですよね
権利者 様
お世話になります。●●と申します。
このたびは、権利者様の著作物(●●)に対する著作権を侵害してしまったことをお詫びします。
軽率なことをしてしまって、誠に申し訳ございませんでした。権利者様にかけてしまったご迷惑を、なかったことにはできませんが、誠心誠意賠償をさせていただきたいと考えております。
加害者としての立場をわきまえつつ、大変恐れ多いことではありますが、以下申し上げます。わたくしなりに損害額を計算をさせていただきました。
私は日頃●●という方法でトレントを利用しており、だいたい、●●ほどトレントを利用しておりました。
今回の作品の単価は●●であり、利益率は、いわゆる大阪地裁判決をもとにすれば●●%でありますので、●●という事情と、●●という事情からすれば、損害額は●●程度であると考えます。
以上を踏まえつつ、私としては、●●円を支払う方法をご提案させていただきたいと考えています。
もっとも、これは、私の最終的な見解としてお知らせしているものではありません。権利者様のご見解もお伺いできますと幸いです。



まあ確かに



ちなみに、これって送るとどうなりますか。



少なくとも本日までは、これに対して返事や再提案が来たことは確認できないです。



今後もそうなんですかね



微妙ですね!



感触的には、権利者側も相当私(を含む発信者側代理人)のホームページや、発信者のnote、匿名掲示板には目を光らせている(ように見える)ので



批判されていると感じて、すぐに手法を変えるという可能性はあります。



示談基準を決めて、譲歩しないなんてズルくないですか?権利者のその対応は許すことができないです。



うーーーーーーん、そこは交渉だから、自らの見解のもと条件を提示することは許されるという範囲内であると思いますよ。



いや、でもこっちは人生かかっているので、一律の金額で交渉するという手抜きみたいなことはしてほしくないです。



それでスキーム化して、大量に請求をするのは問題じゃないんですか



まず、件数が多いとか、交渉に応じないということ自体が違法になるということではないです。



個別の交渉に応じる義務もないです。



「スキーム化」といいますが、「スキーム化」をしたらいけないという法律もありません。



もちろん、あなたの立場からすれば、納得できないとかひどいと感じるのも自然だし、そのことは正当だと思いますよ。



手抜きだということは認めますか?



いや、交渉に応じないというのも、相手に無力感を植え付けて折れさせる効果のある立派な交渉技術だからそうは思わないし、私は(というかまともな弁護士なら)事案に必要な攻撃防御を超えて、弁護士の先生の姿勢を非難することには相当慎重になっています。



市民のあなたがそう言ったり思うのはまた別ではあると思います。



じゃあなに、相手が正しいからこっちは負けを認めて降伏しろってことですか



こっちもちゃんと検討をして相応の見立てと準備をしていないと負けますよとは思っています。



相手が悪いとか間違っているということには同意してくれないのですか



総額200~300万円にも達することもある、示談金請求については、もたらしている結果が非常に深刻だと思います。



これは本当に無視できないと思っています。



はっきりいって、相当追い詰められたり、困窮する人が出てくると思います。



近いうち社会問題化すると思いますし、あるいはもうすでになっていて、私のところにも取材が来ています。



しかも、ことさらに刑事告訴の威圧を背景にして示談を迫ることには、問題は非常に大きいと考えています。



公開の媒体で言及できる程度は限られますが、適切な対応を進めております。



最初からそれを言ってくださいよ
変更点について



ログ保存期間待機のお話のときは、ログ保存期間待機+1年くらい待てば、請求される数が減ると聞きました。



そうですよ



でもログ保存期間待機は辞めるんですよね?



そうしたら、ある意味、その「区切り」とか「マイルストーン」もなくなって、無限の不安に突入するってことになりませんか?



ログ保存期間の話を心の支えにしていた私からすれば、不安が非常に大きいのですが。



それ誤解です



は?



だって待機を辞めるってそういうことじゃないですか



何か僕間違ったこと言ってますか



ログ保存期間+1年が経過すると何で請求が減るんでしたっけ



えっと、そこは先生のブログを読み直してきます。
\ こちらも読んでみてください /





かいつまんでいうと、プロバイダがログを消していくから、時間が経つと追跡しにくくなるんですよね。



そういうことです。



「ログ保存期間待機」方針と「言い値拒否交渉」方針の違いって、要するに、
権利者に対して、どのような声掛けをするか



の違いでしかないから



プロバイダがログを消していくこと自体は全く変わらないですよ。



じゃあ引き続き、ログが消えていって請求が減ること自体は前提にしていいってことですか!



ちゃんとログを消していっているプロバイダならそうです。



じゃあ、これまでどおり、ログ保存期間+1年程度が目安やマイルストーンになるという話は変わらないわけですか。



そのとおりです。
作成日について
作成日



このページは令和8年9月8日に私が全文ワープロで入力をして作りました。
改訂日



改訂は今のところしておりません。





